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Pediatric medicine 小児科

上手な受診の仕方

1.最も大切な病状説明

小さなお子さんが自分の症状を要領よく説明することは難しく、ましてや赤ちゃんからはどんな名医でも話を聞くことはできません。
しかし、具合の悪いお子さんの診断をする医師は、いつから、どんな症状があって、何が心配で今日受診したのかということを、できるだけ具体的に知りたいのです。
ですから、お子さんのことが最もよくわかっている方が一緒に受診していただくことが大切です。
やむを得ずそれ以外の方が連れてくる場合は、メールやメモで経過を説明しておいて下さい。
経過が長い場合はや説明が苦手な方は、あらかじめメモ書きをしておくとよいでしょう。
何日の何時ごろからどんな症状が出て、熱は何度だった。様子を見ていたが、何日からこんな症状も出たので受診した。などのように。
また、すでに他院から処方されている場合は、どんな薬かわかると大変役立ちますので、お薬手帳を必ず持参しましょう。
もちろん、新たに他院を受診する場合も同じです。

2.服装

脱ぎ着のしやすいもの、可能であれば上下が分かれているものや、前開きのものが望ましいと思われます。
診察室までは抱っこひもの中でも構いませんが、病状をお聞きしている間には診察しやすいように、肌着の下のホックなどを外しておいていただけるとスムーズに診察が進みます。

3.飲食

診察直前の飲食は出来るだけ控えてください。
舌圧子というノドをよく診るために使う平たい棒が刺激になったり、おなかの診察でおなかを押した刺激などで吐いてしまうことがあるからです。
少なくとも家を出たら飲食は避けてください、どうしてもの時は少量の水分にとどめましょう。

薬の飲ませ方

1.親の態度

最近は各製薬会社が味の工夫をしているので薬はかなり飲みやすいものが増えていますが、薬を飲んでくれないと困っているお母さんも多いと思います。
しかし、お子さんの病気を少しでも早く治したいのであれば、やはり医師の指示通りに薬を飲ませることは大切なことです。
そのためには、小さいうちから(赤ちゃんで言葉がわからなくても)子供に媚びたりせず、薬があなたのためには大切なのだからという態度を示すことが必要です。
昔から良薬口に苦し(古すぎでしょうか(笑))というように薬は子供にとっておいしいものではありませんでした。
それでも、親が毅然とした態度で臨めば、自然と子供は薬の重要性をわかってくれるものです。
ただ、薬の性状、すなわち粉薬が飲みやすいお子さんと、シロップが飲みやすいお子さんがいるので、その選択は医師に伝えたほうがいいでしょう。

2.粉薬

大人は大きな人も小さな人もほぼ同じ量の薬が処方されることが多いのですが、お薬の代謝がまだ不十分なお子さんは体重で細かく量を調整できるように粉・細粒・顆粒の薬が処方されます。
赤ちゃんでは極少量の水分で薬を団子状にして上顎の奥やほっぺたにくっつけると自然になめて飲み込んでくれます。
少量のお水を後から飲ませても結構です。粉薬はかなり味の工夫がされていますが元の薬の味はなかなか変えれません。
お薬には美味しい味のするコーティングがされていることが多いため、薬を長く口にとどめるとコーティングが剥がれ苦みが出てしまいます。
ですからできるだけ早く飲み込むように促すことも大切です。

3.シロップ

赤ちゃんは一度に全部飲ませるとかなりのお薬を出してしまうことがあるので、スプーンやスポイトで少しづつ与えるようにしましょう。

4.注意事項

赤ちゃんの主食となるミルクや、お子さんの好きで栄養価の高いものに薬を混ぜることは避けましょう。
嫌いな味を認識してしまうと、ミルクや好物そのものを摂取しなくなってしまう恐れがあるからです。
また、ジュースやスポーツ飲料で大きく味が変わってしまう薬もありますので注意が必要です。
味が問題になる時には美味しく飲めるように工夫されたゼリーの使用も有効です。
また、お薬の専門家である薬剤師のいる薬局で相談してみるのも良いでしょう。
さらに、錠剤は薬の味が出にくいものが多いので、ある程度の年齢で錠剤がのめるようになったら、錠剤を希望するのも一案です。
可能な範囲内で対応してくれるでしょう。

なお、薬を吐いてしまった場合は30分以内であれば同じ薬をもう一度飲ませても大きな問題はないでしょう。
しかし、それ以上時間が経過した場合はすでに吸収されている可能性があり過剰投与になる可能性があり、次の機会に回した方が安全と思われます。
薬と一緒に食べたものを吐いてしまわないように、薬は食事の前に飲ませる方がいいでしょう。
お子さんの薬で胃が荒れるような薬はほとんどあります。

1.平熱を知る

熱には個人差があります。
お子さんは高め、お年寄りは低めが一般的ですが、まずお子さんの平熱を知っておきましょう。
体温は測る場所(耳・口・腋など)によっても違いますし、時間帯によっても違います。
何種類も体温計を変える必要はありませんから、お家にある体温計での平熱を知っておきましょう。
また、午前4時ごろが最も低く午後から夕方にかけて体温は正常でも上昇しますので、それぞれの時間帯の平熱は違います。
少なくともお子さんの朝のうちと夕方の平熱は知っておいた方が何かの時に役に立つと思われます。

2.熱の測り方(腋下)

食事や入浴、運動後および外出後の30分間は検温に適しませんので、可能であれば避けてください。
また、測る前には必ずワキの汗はしっかり拭きとりましょう、特にお子さまは汗っかきなので、ご注意ください。
体温計の先端を体に対して下から30度くらいの角度でワキのくぼみに入るようにして、ワキをしっかり締めましょう。
小さなお子さんはお母さんが抑えてあげてください。
予測式といわれる電子体温計では電子音が鳴り終わってから外しましょう。途中で抜いてしまったら初めからやり直しです。

3.発熱とは

ウイルスや細菌などの外因性発熱物質が体に侵入すると、それに対する体の防御反応としてサイトカインという内因性発熱物質が作られます。
そこからの情報を受け取った脳の中にある視床下部の体温調節中枢は、身体各部に体温を上げるようにという指令を出します。
この命令にもとづいて体温が上がるのです。
一般的には腋下体温で37.5度以上、もしくは平熱+1度を発熱としています。

4.発熱は必要か

ではなぜ発熱するのでしょうか。
さまざまな病気の原因となるウイルスは低温の方が繁殖しやすいという性質を持っていますから、発熱はその抑制につながるわけです。
また、侵入してきたウイルスや細菌と戦う白血球の働きも活発になります。
このように、外敵からの攻撃に少しでも有利になるように発熱すると考えられています。

5.解熱剤(熱さまし)の使い方

解熱剤の目的は熱を下げることではなく、熱に伴うお子さんの不快な症状(ぐずる、寝れない、食欲が出ないなど)を一時的に軽くする事です。
ましてや、病気を治すものではありません。
元気で食欲があればもちろんですが、水分が取れていればあまり心配ないことがほとんどです。
解熱剤使用の一つの目安として処方箋に38.5度以上の記載がされることが多いと思いますが、お子さんの機嫌が悪かったり水分が十分に取れていないようでしたら、それ以下の体温でも使用してあげて下さい。
逆に、39度あってもお子さんが元気であれば無理に使用する必要はありません。
また、熱の勢いが強いときは平熱までは下がりませんが、他の症状が軽くなれば十分と思ってください。
ちなみに、41度未満であれば脳や体の細胞に障害は少ないと言われています。

6.注意が必要な発熱

熱の高い低いだけが重要ではありません。熱以外の症状や、体の状態をみて判断することが大切です。
ひとことでいえば「きげんが悪い」とか「ふだんと様子が違う」ということになります。
顔色が悪く、苦しそうにしているとき、元気がなく、ぐったりしているとき、38℃以上の高い熱が出て、頭が痛いとか、吐くなどの症状があるとき、意識がもうろうとしているとき、苦しそうに呼吸をしているとき、強い腹痛をうったえるときなどです。
しかし、3か月未満のお子さんで38度以上の発熱がある場合は、敗血症・ 化膿性髄膜炎・尿路感染症など、早期治療が重要な場合があるので、すぐに病院受診をお勧めします。

逆に、乳幼児は体温調節能力が低いため周囲の環境に左右されることもありますので、1回の検温だけで判断せずに、衣類や室温を調整してから測りなおすことも大切です。

7.発熱を起こす感染症

かぜ、気管支炎、肺炎、インフルエンザ、扁桃炎、中耳炎、アデノウイルス感染症(ヘルパンギーナ・プール熱)、溶連菌感染症、手足口病、蓄膿症、流行性耳下腺炎(おたふく)、風疹、麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、ウイルス性胃腸炎、突発性発疹などが代表的なものです。