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Colonoscopy 大腸カメラ(大腸内視鏡検査)

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)について

日本人の3人に1人が亡くなると言われている癌の中でも、大腸がんは急増している病気の1つです。
早期発見のために一般検診で多く行われている検便検査(便潜血検査)では、たとえ進行大腸がんであっても、約2割が陰性と判定されてしまうことがあるといわれています。
そのため、便潜血が陰性でも癌年齢とされる50台を過ぎたら、一度はこの検査をお勧めします。
検査で発見された大腸ポリープ(腺腫)は、ある程度の大きさになるとがんへ移行していく可能性が高まるため切除が望まれます。

当院の大腸内視鏡検査の特徴

ポリープがあれば切除し、当日のご帰宅が可能

当院では日帰りで内視鏡的大腸ポリープ切除術を行っていますが、100%安全な処置というわけではありません。
無床診療所のため入院設備がありませんので、無理は致しません。

大腸内視鏡検査の流れ

ポリープがあれば切除し、当日のご帰宅が可能

当院では日帰りで内視鏡的大腸ポリープ切除術を行っていますが、100%安全な処置というわけではありません。
無床診療所のため入院設備がありませんので、無理は致しません。

  1. 検査の3日前から食事で消化の悪いもの(繊維が多い、種が多いなど)は控えてください。
    検査時わかめやトウモロコシ、キウイの種などがそのまま大腸に残り検査時間が伸びてしまうことがあります。
  2. 前日の午後から指定の時間に下剤を飲んでいただきます。
    夕食は午後9時ぐらいまでにとりその後は絶食です。水分はとって構いません。
    また、当日は午前中に2時間ほどかけて約1.8リットル程度の大腸の洗浄水を飲んでいただき、お腹の中を空にします。
    ほぼ、水のような便になるのが普通ですが、残渣や黄色い色がついている様な時はまだ大腸内に便が残っている可能性があるため、必ず申し出て下さい。
    来院時に追加の浣腸をおこなうこともあります。

     

    ご注意:洗浄水を飲んでいる間に強い腹痛があった場合は、服用を中止してご連絡ください。腸内に強い狭窄が疑われる場合、洗浄液を飲むと腸閉塞や腸破裂を起こすことがあると言われています。

  3. 便がきれいになった事が確認できたら、来院していただき、検査着に着替え、処置室で点滴を入れてから、肩に腸の動きを止める注射をして検査室へ移動します。
  4. 検査をする台の上で左を下にして横向きに寝ていただきます。
    検査を楽に受けていただくために少し眠くなる注射をします。
  5. 基本的にはそのまま寝ていていただいて結構ですが、大腸をよく観察するために横向きから仰向きになっていただく場合もあります。
    担当医の指示に従ってください。

     

  6. 検査終了後に鎮静剤の作用を除くために拮抗薬を使用しますが、眠くなる薬の影響で眠気、ふらつきなどが現れる場合があるので、別室にて1時間から1時間30分程度お休みいただきます。
  7. 検査当日はお車の運転はできません。
    また、検査でポリープを切除した方は出血などの偶発症予防のため検査後1週間は、激しい運動、旅行、出張をお控えください。

大腸ポリープ切除の実際

①ポリープはハサミで切るわけではありません。
消化管粘膜は出血しやすく、ましてやポリープにはそのポリープを栄養している血管も存在しているため、ハサミのようなもので切ってしまっただけではその血管からの出血を止められません(指で押さえたり出来ないですし、胃の粘膜の毛細血管よりははるかに太い血管です)。
そのため、図のようなスネアをポリープの根っこの方にかけます。

②このようにポリープの基部(根っこの部分)で、スネアループを締めていきます。

③スネア・ループ少しづつ締めていき少し持ち上げるようにします。
これはスネアの位置を固有筋層(図下の方の茶色の2本線)から離して、熱の影響を少なくして穿孔(消化管に穴が開くこと)を避けるためと、基部を細くして熱密度を高くし切断部分だけが十分熱凝固されることを目的としています。

④高周波電流を通電するとスネア・ループが接している部位が白く変色し、さらにスネアループを締めていき病変を栄養血管もろとも焼き切ります。

⑤ポリープを切断し出血がないことを確認します。
白い部位分は熱凝固処理によって出来た人口的な大腸潰瘍です。
これは高熱による大腸粘膜の組織変化で、即ちやけどと同じです。
皆さんも一度はやけどをしたことがお有かと思いますが、やけどはその時大したこと無いようでも後日水ぶくれになったりと、その影響が時間をおいてから出てくることを経験されていると思います。
ポリープ切除においても同様の事が起きているため、この時点では確実に止血されていることを確認していますが、後日この白色部分(潰瘍)が大きくなるために、出血(血便・下血)や穿孔(大腸に穴が開くこと)を起こすことがあります。
このため、切除後の諸注意を守っていただくことが大切です。

⑥大きなポリープは図のように3本の爪がついた鉗子で掴んでから、大腸鏡と一緒に引き抜いて回収します。
小さなポリープは柔らかい組織なので、吸引孔(大腸内の水分や残渣を吸い込んで除去する穴)から吸い込んで回収します。

知っておいていただきたい大腸ポリープ切除術の危険性

内視鏡による大腸ポリープ切除術はあくまで手術の一つです。従って、残念ながら100%安全とは言えず、主に以下のような偶発症が考えられます。

  1. 切除後1週間前後の間に出血(血便・下血)が起こることがあります(約1%)。
  2. 切除後数日の間に穿孔(大腸に穴があく)が生じることがあります。
    そうなってしまうと、その穴から無菌状態の腹腔内に大腸菌などの細菌が出てしまうため腹膜炎を生じてしまいます(0.2%)。

偶発症に対する対応

上記のようなことが無いように細心の注意を払って検査はおこなっておりますが、万一の場合は迷わずに至急ご連絡ください。

  1. 血便や下血が起こった場合は、まずお話を伺い出血量を判断して緊急検査や止血剤投与などにより対応いたします。
    当院では過去2例経験しておりますが、幸い止血剤投与のみで対応可能でした。
  2. 検査後しばらくは検査時に送気された空気によるお腹の張り腹痛が生じることがありますが、数時間で消失することがほとんどです。
    しかし、その痛みが翌日以降も改善されなかったりさらに悪化した場合、検査後は何ともなかったのに後日激しい腹痛や発熱を生じた場合は穿孔の可能性があります。
    腹膜炎は危険な感染症の一つで入院し禁食や抗生剤の点滴が必要です。
    当院には入院設備がありませんのでこの場合は病院等へご紹介し治療していただくことになりますのですぐにご連絡下さい。
    なお、当院では穿孔を起こしたことは過去1例もありません。

偶発症を起こさないために

出血や穿孔はポリープ切除後約1週間は注意が必要です。 食事はうどんなどの柔らかめの和食が消化に良く適しています。
2~3日は刺激物、脂っこいものは控えて下さい。アルコールは血行が良くなるため出血リスクが高まるため1週間は我慢してください。
同様の理由で当日の入浴は避けてください、また1週間はシャワー程度がよいでしょう。
激しい運動や力仕事は腹圧がかかるため1週間は控えてください。
腹圧をあまりかけずに排便できるように止血剤と一緒に便が柔らかくなるお薬をお出しします。
これらの注意を払っても偶発症が起こる可能性はありまので、1週間は旅行や遠方への出張は予定しないで下さい。
万一、赤黒い便や出血、腹痛や発熱した場合はすぐにご連絡下さい。